20260802
日記を書くモチベーションがほぼ無。書き方を変えようと思う。何度も変えてよい。形式が固定できればいいけど、試行錯誤するしかない。今はこうしてみたいのでそうしてみる。読んだ本の感想や記事や動画などで埋めてみる。
感想
読み終わった。感無量だった。『寓話』『美濃』『静温な日々』を経て、一気に『残光』までたどり着く。とくに後半はおもしろく、エモーショナルでもあった。
小島信夫の小説は、どうしてあれほど難解なのか。この本を読めば、その理由の大部分は説明できるように思う。小島の文章は、近代小説の一般的な作法から外れている。体験、記憶、批評、手紙や電話といった小説外のメディア、実在のモデル。それぞれの境界が曖昧で、自己言及的な語りによって、読者の立っている場所が揺さぶられる。
後期作品では、過去作や作中人物による解釈まで入り込み、いま書かれつつある小説そのものが変容していく。断片は一見すると暴力的に飛躍しているが、比喩やイメージによって連想的につながっている。登場人物どうしも重なり合い、交換可能な存在になっていく。時間は直線的に流れず、異なる時間や空間に属する場面が、文章の上では地続きに接続される。ある人物の心内語だと思って読んでいると、いつの間にか別の人物の思索が始まっていることさえある。
『美濃』論で、テクストを複数の語りの水準に分けた分析は、とくにわかりやすかった。後期小島の文章が生み出す「わけのわからなさ」を、単なる混乱ではなく、構造として捉えられるようになる。
小島は、自分自身について「書く」ことの不可能性を知りながら、それでも自分自身を書くことに誠実でいた。その結果として、文章も、小説という容れ物も壊れ始める。父から逃れたい。しかし、逃れられない、そのことを書く。それは単なる無責任ではなく、生きるために必要なことだったように思う。書いた本人にとってもこれを読む人間にとっても。
最初のころには、恋敵らしき名前のあるキャラクターが登場していた。しかし、いつの間にか退場している。展開が思いがけない方向へ進み、謎が増殖するにつれて、固有名を持って動くキャラクターは、松笛と戸川だけになっていく。
二人のやりとりが物語の中心を占めるようになり、一般的なラブコメの要素は後退した。作者が意識的に舵を切ったのか、それとも描いているうちに別のことへ夢中になったのかはわからない。
時間も進み、二人は高校生のままではなく、大学生になる。戸川は夢分析会というサークルに入れられ、並行世界の松笛と過ごす。部長や副部長といった新しいキャラクターも登場するが、彼らには固有名が与えられない。そのため、肉体を持った人物が松笛と戸川しかいないような、奇妙な感覚が生まれる。それ以外の人物は、世界を構成するエキストラのように見えた。物語が広がるほど、むしろ二人だけの閉じた世界が強まっていく。
曲
venturing - Nowhere EP
Ninajirachi & Porter Robinson - WannaCry
Ninajirachi - Sumoclic Radio: Ninajirachi (DJ Mix)
Lamorn - Visual
その他
The Sound of Being Online: Sabukaru Meets Ninajirachi — sabukaru
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